レポート レベル
レポート レベルは、テスト実行中に発生するイベントを分類し、レポートに表示する情報を調整します。テストに数千のモジュールを含む数百のテスト ケースが含まれている場合、レポートの簡潔さと詳細さのバランスを取るためには、レポート レベルが重要です。この章では、レポート レベルの仕組みとその使用方法について説明します。
スクリーンキャスト
以下のスクリーンキャストで、この章で説明している内容を確認できます。
サンプル ソリューションのダウンロード
この章の説明は、サンプル ソリューションを使用しておこないます。サンプル ソリューションは以下からダウンロードできます。
サンプル ソリューション
Theme: Build a test
Time: 15 minutes
インストール:
任意のフォルダーに解凍します。
Ranorex Studio を起動し、ソリューション ファイル RxDatabase.rxsln
を開きます。
ヒント
このサンプル ソリューションは、Ranorex Studio 8.0 以降で利用できます。8.2 以降を利用している場合には、ソリューションのアップグレードをおこなってください。
デフォルトのレポート レベル
Ranorex Studio には、6 つのデフォルトのレポート レベルがあります。それぞれに対応する色と値が設定されています。
Default Ranorex report levels
- 高い値ほど重要なレポートです。たとえば、Debug は Info よりも重要度が低くなります。
- レコーディング モジュールでは、デフォルトのレポート レベルが使用されます。
- コード モジュールでは、 ⇢ 独自のレポート レベルの定義 がおこなえます。
レポート レベルの目的
テスト レポートでは、実行されたアクションは少なくとも 1 つのレポート メッセージを持ちます。数千ものアクションを持つ大規模なテスト スイートでは、テスト レポートがすぐに複雑になります。レポート レベルを使用することで、レポートに表示するメッセージを調整できます。レポート レベルは、重要度でレポート メッセージを分類しフィルターします。
以下の図はこの概念を表したものです。
Actions raising report attention by report levels
アクション #1 から #4、および #6 から #7 は、レポート レベル Info (値 = 20) です。
バリデーションは常に成功か失敗のいずれかであり、テスト実行において重要なアクションです。成功したバリデーション (アクション #5) は、レポート レベル Success (値=110) です。失敗したバリデーションは、レポート レベル Failure (値=120) です。
レポート レベルのしきい値
レポート レベルのしきい値は、レポートに含める必要がある最小のレポート レベルを定義する値です。レポート レベルがこの値より低い場合、レポートに表示されなくなります。
レポート レベルのしきい値は、テスト スイート、テスト ケース、および、スマートフォルダーで設定できます。
以下の図はこの概念を表したものです。
レポート レベルのしきい値 20 (Info) の場合
しきい値を Info (値=20) に設定します。
レポートには、レポート レベル Info 以上のメッセージが表示されます。
レポート レベルのしきい値 110 (Success) の場合
しきい値を Success (値=110) に設定します。
レポートには、レポート レベル Success 以上のメッセージが表示されます。この例では、成功したバリデーションのメッセージのみが表示されています。
レポート レベルしきい値の設定
レポート レベルしきい値は、テスト スイート、テスト ケース、および、スマートフォルダーで設定します。デフォルトでは、親の設定が継承されます。
テスト スイート ビューに切り替えます。
テスト スイート、テスト ケース、または、スマート フォルダーを右クリックします。
レポート レベルをクリックし、任意の値を選択します。
Inherit
Inherit オプションを選択すると、直接の親アイテムの設定を継承します。
例
上記の説明を実際に試してみましょう。ログ メッセージを挿入し、レポート レベルを設定してみます。
初期状態
サンプル ソリューションのレコーディング モジュールには、7 つのアクションが記録されおり、そのうちの 1 つはバリデーション アクションです。
テスト ケースのレポート レベルは Success に設定されています。これは現在、バリデーションの成功または失敗のみがレポートされることを意味します。
Submit ボタンがクリックされたことを伝えるログ メッセージを追加し、レポートに表示させようと思いますが、現在の設定ではバリデーション以外のすべてのアクションはレポートに表示されません。
設定
アクション #4 のあとにログ メッセージを追加します。
メッセージを入力し、レポート レベルを Success に設定します。
結果
このレコーディングのアクションのレポート レベルとレポート レベルしきい値は以下のようになります。
レポートにレポート レベル Success で表示されたログ メッセージ
レポートにレポート レベル Success で表示されたバリデーション