GDI キャプチャ機能
Ranorex Studio が、テスト対象アプリの UI 要素を正しく識別できない場合が稀にあります。これは、VB6, MFC, 古いバージョンの Delphi などのテクノロジーで発生します。このような場合には、UI 要素を識別するために、GDI (Graphic Device Interface) キャプチャ機能を使用します。Ranorex Studio は、GDI および GDI+ をサポートします。GDI+ のサポートについては、手動で有効化する必要があります。詳しくは、この章の最後で説明します。
GDI キャプチャ機能は、Ranorex Spy の機能の一部です。要素ツリー ブラウザーの要素のコンテキスト メニューからアクセスできます。
この章では、Ranorex Studio Demo Application にあるカレンダーを使用して、GDI キャプチャ機能を使用しない場合と使用した場合の違いを説明します。
スクリーンキャスト
以下のスクリーンキャストで、この章で説明している内容を確認できます。
GDI を使用しない UI 要素の識別
Demo Application にあるカレンダーの自動化を考えます。そのためには、任意の月の特定の日付の UI 要素を識別する必要があります。
Ranorex Spy のトラッキング機能を使用して要素を識別してみます。
Ranorex Spy を起動し、TRACK をクリックします。
Demo Application で、特定の日付 (例: May 25) をクリックします。
結果:
トラッキングした UI 要素の RanoreXPath は、特定の日付ではなく、カレンダー全体を識別しています。
要素ツリーでは、UI 要素のアダプター タイプは DateTime
(つまり、カレンダー) になっています。
UI 要素のスクリーンショットでは、25 日だけでなく、カレンダー全体が表示されています。
GDI キャプチャの有効化
デフォルトの UI 要素の識別方法では、日付を正しく識別できなかったため、GDI キャプチャを有効にする必要があります。GDI キャプチャ リストに、正しく認識できなかった UI 要素を追加します。これにより、Ranorex Studio は、RawText アダプターを使用して、UI 要素を識別できるようになります。
要素ツリーで、GDI キャプチャで処理する UI 要素を選択します。
右クリック メニューから、クラス名を GDI キャプチャ リストに追加 をクリックします。
表示されたダイアログで OK をクリックします。
ここで、UI 要素を再度トラッキングします。
TRACK をクリックします。
特定の日付 (例: May 25) をクリックします。
結果:
RawText アダプターを使用して、UI 要素が正しく識別されます。
RanoreXPath は、カレンダー全体ではなく、特定の日付が識別されたことを示しています。
要素ツリーでは、UI 要素のアダプター タイプは RawText
になっています。
UI 要素のスクリーンショットでは、カレンダー全体ではなく、特定の日付が表示されています。
GDI キャプチャ リストへのプロセスの追加
通常は、GDI キャプチャ リストには、単一の UI 要素のクラスを追加することをおすすめします。しかしながら、プロセス全体を追加する必要がある場合には、GDI キャプチャの設定からおこなえます。以下でその方法について説明します。
GDI キャプチャ設定
GDI キャプチャ設定には、追加されたすべてのプロセスおよびクラス名が表示されます。この画面で、プロセスおよびクラス名をまとめて追加したり、正規表現を使用して追加したりすることもできます。GDI キャプチャ設定には、Ranorex Studio または Spy の設定ダイログからアクセスできます。
SETTINGS… をクリックします。
全般 タブで、GDI キャプチャ設定 をクリックします。
GDI キャプチャ設定が開かれます。
GDI+ の有効化
GDI+ のサポートはデフォルトでは無効化されています。必要に応じて、設定 > プラグイン > Capture GDI+ text から、手動で有効化してください。