データ ソースの管理と割り当て
データ ソースは、データ駆動型テストの重要な要素です。データ ソースは、変数が値を取得する場所です。この章では、データをテスト実行に使用できるように、データ ソースをテスト コンテナーに追加、管理、および割り当てる方法について説明します。
スクリーンキャスト
以下のスクリーンキャストで、この章で説明している内容を確認できます。
データ ソースの作成
データ ソースの作成は、テーブルの作成と同じくらい簡単です。データ ソースの内容は、テストに依存します。したがって、データ ソースの設定方法については、このユーザー ガイドには含まれていません。
サンプル ソリューションを実行するには、データ ソースが必要です。
CSV ファイルをダウンロード して任意のディレクトリに解凍するか、または以下のテキストをコピーしてテキスト ファイルに貼り付け、それを .csv として保存してください。
FirstName,LastName,Age,Gender,Department,Num
John,Public,48,Male,Project Management,1
Mary,Smith,36,Female,Sales,2
Henry,Rogers,29,Male,Support,3
Thomas,Bach,42,Male,Development,4
Cindy,Martens,19,Female,Office,5
Hanna,Perry,48,Female,Management,6
Will,Hallmark,32,Male,Support,7
Nicole,Wallace,38,Female,Testing,8
データ ソースの管理
データ ソースとそれに含まれるテスト データは、テスト スイートごとに管理されます。これは以下を意味します。
- テスト スイートに追加すると、データ ソースをこのテスト スイートのテスト コンテナーに割り当てることができます。
- テスト スイートBからテスト スイートAのデータ ソースにアクセスすることはできません。まず、テスト スイートBにデータ ソースを追加する必要があります。
- データ ソースを各テスト スイートに追加することで、複数のテスト スイートで同時に使用できます。
データ ソース管理へは、以下の方法で直接アクセスできます。
テスト スイート ビューの MANAGE DATA SOURCES… をクリックします。
また、以下の方法でもアクセスできます。
テスト スイート ツールバーの データソース… をクリック
テスト コンテナーの右クリック メニューから データ ソース… をクリック
データ ソースの管理ダイアログ
データ ソースの管理ダイアログが表示されます。以下の手順で、サンプル プロジェクトにCSVデータ ソースを追加します。
新規 > CSV connector… をクリックします。
既存のデータ ソースを削除します。
注意
Simple data table の削除は、データの物理的な削除を意味します。データは失われます。これは、Simple data table のデータは、テスト スイート ファイルに直接格納されるためです。
このダイアログでの Excel, CSV, SQL データ ソースの削除は、データ ソースへの接続の削除を意味します。データ ソース自体は、そのまま保持されます。
Simple data sources の場合には、データ ソースの内容とその設定を複製します。他のすべてのデータソースの場合には、コネクターとその設定を複製することを意味します。これはたとえば、同じExcelデータ ソースの異なるシートを指定するのに役立ちます。
追加されたデータ ソースのリストです。それぞれコネクター タイプ (Simple, CSV, Excel, SQL) および使用数 (テスト スイートでデータ ソースが割り当てられている数) を表しています。
データ ソースの種類に応じて特定の設定を管理できます。利用可能な設定は、データ ソースの種類ごとに以降で説明します。
データ ソースの割り当て
データ ソースを追加したら、テスト コンテナーに割り当てる必要があります。それによって、コンテナー中のモジュール/変数が、データにアクセスできるようになります。
以下の手順でおこないます。
データ ソースを割り当てたいテスト コンテナーを選択します。
右クリック メニューから データソース… をクリックします。
割り当てたデータ ソースがデータ行数とともに表示されます。
データ ソースの割り当てルール
テスト コンテナーへのデータ ソースの割り当てには、いくつかの簡単なルールが適用されます。
ルール 1 | テスト コンテナーに割り当てたデータ ソースは、その子のテスト コンテナーには割り当てできません。 |
ルール 2 | テスト コンテナーに割り当てたデータ ソースは、そのテスト コンテナーのすべての子からアクセスできますが、その兄弟や親からはアクセスできません。 |
ルール 3 | ツリー内のデータ ソースは補完的であり、互いを置き換えません。 |
例 1
例としてこれらのルールがどのように機能するかを見てみましょう。テスト スイートに 2 つのデータ ソース (CSV データ ソース myCSVData、および Excel データ ソース myExcelData) があるとします。
Excel データ ソースは、スマート フォルダー A-2 に割り当てられています。
ルール #2 に従い、テスト ケース A とその配下のモジュールは、子のテスト コンテナーのデータ ソースにアクセスできません。
ルール #2 に従い、スマート フォルダー A-1 のモジュールは、CSV データ ソースにアクセスできます。
ルール #2 および #3 に従い、スマート フォルダー A-2 のすべてのモジュールは、CSV および Excel データ ソースにアクセスできます。
ルール #2 および #3 に従い、スマート フォルダー A-2 配下のテスト ケースおよびスマート フォルダーのすべてのテスト モジュールは、CSV および Excel データにアクセスできます。
例 2
Excel データ ソースが、スマート フォルダー 1-1 に割り当てられています。したがって、このツリー配下のテスト モジュールは Excel データにアクセスできます。
CSV データ ソースが、スマート フォルダー 1-2 に割り当てられています。したがって、配下のテスト モジュールは CSV データにアクセスできます
Excel データ ソースが、スマート フォルダー 1-2-1 に割り当てられています。ルール #3 に従い、配下のテスト モジュールは、CSV および Excel データにアクセスできます。
Excel データ ソースが、スマート フォルダー 1-3 に割り当てられています。配下のテスト モジュールは Excel データにアクセスできます。
データ ソースの種類とコネクタ
Ranorex Studioは、4 つの異なるタイプのデータ ソース (Simple, CSV, Excel, SQL データ テーブル) をサポートします。
Simple data table を除いて、これらのソースはすべてコネクタを介して追加されます。つまり Ranorex Studioは、データ テーブル ファイルへのリンクのみをおこないます。ファイル コンテンツは、テスト スイートに追加されません。
Simple data table
Simple data table は、簡単なテストなどの、小さなデータ駆動型テストをすばやく設定したい場合に便利です。大量のデータ行を扱うテストにはおすすめしません。
Simple data table では、すべてのデータとともにテスト スイート ファイル (.rxtst) に直接格納されます。そのため、データ ソース ダイアログ上で、直接管理する必要があります。
Simple data table の追加は以下の手順でおこないます。
新規 > Simple data table をクリックします。
データ ソースの名前を入力します。
OK をクリックします。
ラベル オプションについては、別のセクションで説明しています。
Excel connector の追加は以下の手順でおこないます。
新規 > Excel connector… をクリックします。
コネクタの設定をおこない、OK をクリックします。
Excel connector の設定:
Excel connector の名前、および Excel ファイルの場所を指定します。
プロジェクト フォルダーに Excel ファイルをコピーします。ソリューションをバージョン管理している場合には、このオプションにチェックを入れてください。
ヒント
いずれのケースでも、このオプションを有効にすることを強くおすすめします。そうすることで、テスト データ ファイルの場所を気にする必要がなくなります。また、Ranorex Remote などでテストをデプロイする場合、テスト実行環境の Ranorex Agent に、Excel ファイルが自動的に転送されるようになります。
Excel ファイルの複数のワークシートがある場合、使用するワークシートを指定できます。また、テスト データの範囲を指定することもできます。
データの自動ロード オプションを OFF にすると、起動時のテスト スイートの読み込み時間が短縮されますが、テスト コンテナーにデータの行数が表示されなくなります。
ヒント
複製 オプションを使用すると、同じ Excel ファイルにリンクし別のワークシートやデータ範囲を参照する、複数のコネクタをすぐに作成できます。
ラベル オプションについては、別のセクションで説明しています。
CSV connector の設定:
CSV connector の名前、および CSV ファイルの場所を指定します。
プロジェクト フォルダーに CSV ファイルをコピーします。ソリューションをバージョン管理している場合には、このオプションにチェックを入れてください。
データの設定
CSV ファイルにヘッダー行があるかを指定します。
データの自動ロード オプションを OFF にすると、起動時のテスト スイートの読み込み時間が短縮されますが、テスト コンテナーにデータの行数が表示されなくなります。
マスク オプションについては、別のセクションで説明しています。
ラベル オプションについては、別のセクションで説明しています。
オプションの接続設定をおこない、OK をクリックします。
オプションの接続設定:
必要に応じて、オプションのダイアログでデータベースの接続タイプを変更します。この例では、Microsoft Access Database File を指定します。
必要に応じて、ユーザー名やパスワードといったログイン情報を指定します。
Test connection をクリックし、データベースへの接続をテストすることをおすすめします。
データのマスク
すべてのデータ ソース タイプで、データをマスクできます。これによって、Ranorex Studio からのデータのアクセスを許可しながら、レポートへの表示を抑制することができます。
マスクしたデータは、テスト レポートで * で表示されます。
データ イテレーションへのラベル付け
デフォルトでは、データ駆動型テストの一部として動作するデータ イテレーションでは、イテレーション カウントをラベルとしてレポートに表示します。しかしながら、データ ソースのカラム名をラベルとして設定することもできます。Ranorex Studio は、対象のカラム値をラベルとしてレポートに表示します。
データソース カラム LastName をラベルとして選択
対応するカラム LastName の値をラベルとして表示
データ範囲の制限
すべてのデータ ソースで、データの範囲を制限できます。これによって、データの特定の行のみをテスト コンテナーで使用できます。
データ セットのプレビュー をクリックすると、有効なデータが確認できます。
変数からの CSV データソースの自動生成
モジュールで定義されている、バインドされていない変数から、CSV データソースを自動で生成できます。
以下で表示しているテスト スイートには、4 個のレコーディング モジュールとバインドされていない 5 個の変数が含まれる、スマート フォルダー InsertData があります。
レコーディング モジュールで定義されている、バインドされていない 5 個のモジュール変数
これらの変数から CSV データソースを自動生成するには、以下の手順をおこないます。
スマート フォルダーを右クリックします。
データ ソース… または データ バインディング… をクリックします。
結果
Ranorex Studio は、変数名と同じカラム名を持つ、CSV データソースを自動生成します。
変数名を元にした名前を付けられたカラム名を持つテーブル
Ranorex Studio はまた、変数と対応するカラムを自動でバインドします。データ バインディング タブで確認できます。
自動生成されたデータ ソースは、他のデータ ソースと同様に、データ ソースの管理… ダイアログで管理できます。デフォルトでは、CSV ファイルは、ソリューションのプロジェクト フォルダーに格納されます。
ソリューションのプロジェクト フォルダーに格納された CSV ファイル
この章の手順のまとめ
データソースを管理および割り当てるためのすべてのオプションについての説明をおこないました。次の章で使用するサンプル ソリューションを準備するために必要な手順を簡単に確認しましょう。
データ ソース (CSV ファイル) が準備されていることを確認します。
テスト スイート ビューで、MANAGE DATA SOURCES… をクリックします。
新規 > CSV connector をクリックします。
データ ソース名を myCSVData とし、ファイルの場所を指定します。すべての設定オプションをオンにし、OK をクリックします。
テスト スイート ビューで、テスト ケース Data-driven_DB_Test を右クリックし、データ ソース をクリックします。
ドロップダウン メニューから、myCSVData を選択し、OK をクリックします。
データ ソースが割り当てられ、次の章で使用するソリューションの準備ができました。