インストルメント ウィザード
Ranorex はさまざまな UI テクノロジーのテストをサポートしていますが、より適切な自動化をおこなうためには、一部のテクロノジーについては、インストルメントと呼ばれる処理をおこなう必要があります。インストルメントとは、Ranorex が特定のテクノロジーの UI 要素を識別できるように、アドオンのインストールや、一部のコードの挿入をおこなう処理です。
Ranorex インストルメント ウィザードは、以下のテクノロジーに対して、この処理をおこなうためのウィザードです。
- Adobe Flash/Flex
- Mozilla Firefox
- Google Chrome
- Android/iOS apps
メモ
Mozilla Firefox または Google Chrome の場合、テスト開始時に ⇢ Open browser アクション を使用して、インストルメントを自動的におこなうことをおすすめします。
インストルメント ウィザードの起動
ここでは、インストルメント ウィザードを起動するためのさまざまな方法について説明します。
テクノロジーの制限警告から
上述のテクノロジーについて、インストルメントをおこなわずに自動化をおこなおうとした場合、テクノロジーの制限警告が表示されます。このダイアログには、インストルメント ウィザードを直接実行するためのボタンがあります。
Google Chrome についての警告
Mozilla Firefox についての警告
Flash/Flex についての警告
モバイル テストを作成するとき
モバイル テストの作成ダイアログで、アプリの追加 をクリックすると、インストルメント ウィザードが自動的に起動されます。これは、アプリをモバイル デバイスにデプロイする前に、インストルメントをおこなう必要があるためです。
インストルメント ウィザードが起動される アプリの追加… ボタン
Android/iOS エンドポイントの設定から
Android/iOS エンドポイントの設定から、インストルメント ウィザードを起動することもできます。
Android エンドポイント設定の アプリのインストルメントとデプロイ メニュー
メニューから
ツール > インストルメント ウィザード から起動することもできます。
Windows スタート メニューから
インストルメント ウィザードはスタンドアローンのプログラムのため、Windows のスタート メニューから起動することもできます。
コマンド ラインでのインストルメント
コマンド ラインからインストルメントすることもできます。インストルメント ウィザードの実行ファイルは、Ranorex Studio のインストール フォルダーの /bin/ フォルダーにあります。使用可能な引数は以下の通りです。
インストルメント ウィザードの実行ファイル
?|help
コマンドラインのヘルプを表示します。pagename パラメーターを追加して、指定したテクノロジーのヘルプを表示できます。
使用可能な pagename は、android, chrome, firefox, flex, ios です。
Android arguments (basics)
d|device
- APK ファイルをデプロイするモバイル デバイスの名前です。
- deployment オプションが NoDeploy に指定されている場合、このパラメーターの指定は不要です。
a|apkfile
- デプロイする APK ファイルをフルパスで指定します。
s|skip
- True: インストルメントをおこなわずにデプロイのみおこないます。
- False (デフォルト): インストルメントとデプロイをおこないます。
dm|deploymode
- APK ファイルのデプロイ方法を指定します。
- WiFi | Usb | NoDeploy | Auto (デフォルト) のいずれかを指定できます。
- NoDeploy: デプロイをおこないません。
- Auto: デバイス設定と同じモードでデプロイをおこないます。
o|outfile
- インストルメント済みファイルの出力場所を指定します。
- パスへの読み取り/書き込み権限が必要です。
- インストルメント元のファイル名に、-insrumented というサフィックスが追加された APK ファイルを生成します。ファイルが既に存在する場合上書きされます。
- skip オプションが true の場合には、何もおこないません。
Android arguments (signing APKs)
JdkBinPath
- JDK インストール フォルダーへのフルパスを指定します。
KeyAlias
- jarsigner で使用される keystore entity のエイリアスを指定します。
KeyPass
- jarsigner のパスワードを指定します。
- 注意: パスワードは平文で格納されます。
KeyStore
- jarsigner keystore をフルパスで指定します。
KeyStorePass
- jarsigner keystore のパスワードを指定します。
- 注意: パスワードは平文で格納されます。
メモ
カスタム署名の場合、KeyStore, KeyAlias, KeyStorePass, KeyPass および JDKBinPath を指定する必要があります。
Android arguments (instrumentation settings)
RIdClass
- リソース ID を特定するためのクラス名を指定します。(例: com.ranorex.demo.R)
- デフォルトでは、.R で検索します。
EnableWebTesting
- True (デフォルト): UI 階層に Web view の DOM コンテンツを表示します。
- False: DOM コンテンツを表示しません。
- 重要: この機能は、アプリのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
FullImageComparison
- イメージのリソース ID を特定するために、より堅牢な画像比較をおこないます。
- 重要: この機能は、スタートアップのパフォーマンスに影響を与えます。
TreeSimplification
- True (デフォルト): 生成される UI 要素のツリーを簡略化するための後処理を実行します。
- False: 後処理を実行しません。これにより、より大きな UI 要素ツリーが生成されます。サードパーティ製の Android コントロールを自動化する場合に便利です。
Chrome arguments
e|enable
- True: Ranorex Chrome アドオンを有効化します。
- False: Ranorex Chrome アドオンを無効化します。
Firefox arguments
enew|enablenew
- True: Ranorex Firefox アドオンを有効化します。
- False: Ranorex Firefox アドオンを無効化します。
Flex arguments
pl|preloader
- True: Ranorex preloader を有効化します。
- False: Ranorex preloader を無効化します。
ie
- True: Flex debug player for Internet Explorer を有効化します。
- False: Flex debug player for Internet Explorer を無効化します。
ff|firefox
- True: NPAPI Flex debug player for Firefox/Safari を有効化します。
- False: NPAPI Flex debug player for Firefox/Safari を無効化します。
cr|chrome
- True: Flex PPAPI debug player for Chrome を有効化します。
- False: Flex PPAPI debug player for Chrome を無効化します。
o|other
- True: cr および ff オプションを有効化します。
- False: cr および ff オプションを無効化します。
ft|flextrace
- True: Flash tracelog を有効化します。
- False (デフォルト): Flash tracelog を無効化します。
iOS arguments
u|udid
- アプリケーションをデプロイするデバイスの識別子 (Unique ID) を指定します。
- このオプションの代わりに、dn|devicename オプションを使用することもできます。
メモ
UDID は、エンドポイントの詳細から確認できます。
dn|devicename
- アプリをデプロイするモバイル デバイス名を指定します。
ip|inputpath
- デプロイする IPA ファイルをフルパスで指定します。
o|outfile
- インストルメント済みファイルの出力場所を指定します。
- パスへの読み取り/書き込み権限が必要です。
- インストルメント元のファイル名に、-insrumented がサフィックスとして追加された IPA ファイルを生成します。
- skipinstrumentation オプションが true の場合、何もおこないません。
si|skipinstrumentation
- True: インストルメントをおこなわずにデプロイのみおこないます。
- False (デフォルト): インストルメントとデプロイをおこないます。
sd|skipdeployment
- True: デプロイをおこないません。
- False (デフォルト): デプロイをおこないます。
k|keypath
- P12 証明書ファイル (*.p12) へのパスを指定します。
pw|password
- P12 証明書ファイル (*.p12) のパスワードを指定します。
pp|provisionpath
- Embedded mobile provision profile (*.mobileprovision) へのパスを指定します。
ai|appid
- Application ID (Bundle identifier) を指定します。
- 新しいアーカイブをインストールする前にアプリケーションをアンインストールするために必要になります。
- デフォルトでは、ID の入力が必要です。
- auto を指定するとインストルメント時に、自動的な解決を試みます。
db|deploybrowser
- True: RxBrowser のデプロイをおこないます。
- False (デフォルト): デプロイをおこないません。
ds|deployservice
- True: Ranorex Service App のデプロイをおこないます。
- False (デフォルト): デプロイをおこないません。
ub|uninstallbrowser
- True: RxBrowser のデプロイの前に、アンインストールをおこないます。
- False (デフォルト): アンインストールをおこないません。
ub|uninstallservice
- True: Ranorex Service App のデプロイの前に、アンインストールをおこないます。
- False (デフォルト): アンインストールをおこないません。
uf|uninstallfail
- True: アプリのアンインストールに失敗した場合にエラー メッセージを表示します。
- False (デフォルト): エラー メッセージを表示しません。